住まいと省エネ

Energy Saving

暖房の経済性とCO2排出量のほどよいバランスは?~おさいふにも環境にもやさしい省エネのこと④~

(公財)みやぎ・環境とくらし・ネットワーク、通称:MELONさんとのコラボレーション記事の第4回です。MELONは宮城県に拠点を置く環境団体で、省エネルギーな暮らしのアドバイスを行う『うちエコ診断』も実施しています。この記事は、うちエコ診断士のノウハウをもとに、無理のない省エネな暮らし方をご紹介いただく企画です。ぜひ最後までご覧ください!

住まい方を工夫することで、おさいふにも地球にもやさしい省エネになります。
省エネは二酸化炭素(CO2)排出量の削減につながります。
ですが、省エネといっても何をすればいいかピンとこない方も多いかもしれません。
そこで、(公財)みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)のうちエコ診断士※と一緒にできることからはじめてみませんか?

※うちエコ診断士:環境省の「うちエコ診断ソフト」を活用し、各家庭の光熱費やCO2排出量を「見える化」し、各家庭の住まい方やライフスタイルに合わせた適切なアドバイスや提案を行うことができる、環境省認定の公的資格です。

暖房の経済性とCO2排出量のほどよいバランスは?

 寒い冬は、暖房を使うのでエネルギーの使用量が増えます。暖房の使い方を意識すると、省エネ・節電につながり、CO2排出量の削減にもつながります。

 暖房のエネルギー源は電気、ガス、灯油などがあり、経済性とCO2排出量は異なります。家庭でよく使われている暖房機器をみてみると、全国ではエアコンですが、東北地方および北海道では灯油ストーブ類です。 なお、CO2排出量は、エアコンと灯油ストーブではエアコンの方が少なくなります。

出典:令和3年度 家庭部門の CO2排出実態統計調査 資料編(環境省)

暖房を使うときの1時間と1℃の効果

 暖房の種類によらず、使用時間と設定温度を意識することで省エネにつながります。
では、石油ファンヒーターとエアコンとでどれくらい省エネになるのかみてみましょう。

 1時間の短縮はそれほど難しいことではありません。例えば、外出と就寝の30分前にスイッチを切ると1日1時間の短縮になります。

 温度については、無理する必要はありませんが、例えば、「暖かく」ではなく「寒くないように」と意識してみるのはいかがでしょう。
 マフラー、手袋、レッグウォーマーなどを使って、首、手首、足首の「三つの首」をあたためることでからだ全体があたたまります。
 また、温度だけでなく、湿度も体感温度に関係します。体感温度に加え、ウイルス対策も加味すると、40%以上は保ちたいところです。

 エアコンの効率を上げる方法としては以下があげられます。冷房の時も同様です。

・扇風機と併用して暖房効率を上げる!
・室外機の近くに物を置かない!
・フィルターを月に1~2回掃除する!

 暖房機器にはさまざまありますが、いずれにしても使用時間と設定温度を意識することで省エネになり、CO2排出量の削減につながります。
また、消費電力が大きい暖房器具ほど省エネ効果は大きくなります。

窓からの熱の出入りを少なくする

 家の熱の出入りは窓が最も大きいので、窓対策は大変重要です。

うちエコ診断士資格試験公式テキスト2022を参考に作成

 日中は太陽の光を部屋に十分とりいれ、夜はカーテンやブラインドを上手に使って熱の出入りを防ぎましょう。
厚手のカーテンや床まで届く長いカーテンが効果的です。

 さらに、熱の出入りを少なくする対策があります。
コストはかかりますが、例えば、内窓をつける、窓枠を熱伝導率の高いアルミサッシから樹脂製の材料にする、ガラスを三重にするなどの断熱リフォームという方法です。
 国や自治体の補助金が活用でき、数十万円の工事費に対し、半分以上もどってきたという例もあります。
家の省エネは、今後、義務化される流れにあるので、補助金は積極的に活用したいところです。

⇒(参考)先進的窓リノベ2024事業(環境省)

 今日からできそうなこと、興味がわいたことから、ぜひ、試したり調べたりしてみてはいかがでしょうか。


記事協力:(公財)みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)

MELONは、宮城県に拠点をおく設立30周年の環境団体です。

⇒MELON公式ホームページ