住まいと省エネ

Energy Saving

身近な電化製品の省エネ~おさいふにも環境にもやさしい省エネのこと③~

(公財)みやぎ・環境とくらし・ネットワーク、通称:MELONさんとのコラボレーション記事の第3回です。MELONは宮城県に拠点を置く環境団体で、省エネルギーな暮らしのアドバイスを行う『うちエコ診断』も実施しています。この記事は、うちエコ診断士のノウハウをもとに、無理のない省エネな暮らし方をご紹介いただく企画です。ぜひ最後までご覧ください!

住まい方を工夫することで、おさいふにも地球にもやさしい省エネになります。
省エネは二酸化炭素(CO2)排出量の削減につながります。
ですが、省エネといっても何をすればいいかピンとこない方も多いかもしれません。
そこで、(公財)みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)のうちエコ診断士※と一緒にできることからはじめてみませんか?

※うちエコ診断士:環境省の「うちエコ診断ソフト」を活用し、各家庭の光熱費やCO2排出量を「見える化」し、各家庭の住まい方やライフスタイルに合わせた適切なアドバイスや提案を行うことができる、環境省認定の公的資格です。

身近な電化製品の省エネ

省エネ行動と聞いて、どんな行動を思い浮かべますか?
「誰もいない部屋の照明を消す!」という方は多いかもしれません。

私たちは電化製品を使いたいと思ったら、スイッチONするだけ、あるいはコンセントに電源プラグを差し込むだけで、どの電化製品もトラブルなく使うことができます。暮らしの中で困ることはありませんが、省エネ行動を意識することで経済的なメリットにもつながります。そこで、今回は、毎日使う身近な電化製品の使い方についてみてみましょう。

照明の省エネ

 家庭で使われる照明は、発光の仕組みにより白熱電球、蛍光灯、LEDに区分することができます。白熱電球のエネルギー効率は蛍光灯やLEDより悪いため、蛍光灯やLEDに付け替えることによって省エネになります。では、どれくらい省エネなのでしょうか?

・年間点灯時間:2000時間(1日5~6時間点灯した場合)
・年間電気代は、電気料金単価を31円/kWh(税込)とし、消費電力量に乗じて算出した目安です。
※電気料金単価は公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会(2022年7月22日改定)
・消費電力:8畳用蛍光灯シーリングライト68W、LEDシーリングライト34W、白熱電球54W、電球型LEDランプ7.5W
※(一社)日本照明工業会の情報サイト「LED照明ナビ」の「LEDの技術と照明の歴史を知ろう」を参考にしています。

 LED電球の寿命は、一般的に40,000時間程度とされており、1日6時間使用して20年近く使えることになります。消費電力が小さいだけでなく、長寿命なのです。

 例えば、上のグラフをみてみると、白熱電球から電球型LEDランプ7.5Wに買い換えて、おトクになる年間電気代が約2,880円なので、それより安いLEDを選べば、1年以内に元がとれます。なお、電気料金の1kWhあたりの単価は変動しますので参考値として捉えてください。

 LEDを選ぶ際は、光の量の単位(lm:ルーメン)の値が置き換える前の白熱電球と同等と表記されている商品を選ぶようにしましょう。

照明はどっちが省エネ?~こまめなON・OFFと点けたまま~


 照明も他の電化製品も電源をONにした瞬間、通常より多くの電気が流れることがあります。製品により定常電流値の10倍程度の電気が流れることもありますが、通常は1秒以内で収まります。つまり、電気を点けたり消したりすることでたくさんの電気が流れることは事実なのですが、照明が1秒以上不要ならば、消したほうが省エネとなります。

なお、LED電球の場合は白熱電球のような大きな電流は流れません。

キッチンでの省エネ

 電子レンジ、炊飯ジャー、食器洗い乾燥機など、キッチンには使い方を工夫することで、省エネ効果が出やすい電化製品が多くあります。
例えば、ご飯は「炊飯ジャーで保温する」より「電子レンジでチン」の方が省エネです。
朝に炊いたご飯を夜も食べる場合として両方の消費電力量を計算して比較してみます。
仮に、炊飯ジャーの保温モードの消費電力を30W、保温時間を8時間とすると、消費電力量は240Wh(30W×8h)です。
一方、電子レンジの消費電力を1,000W、あたため時間を3分とすると、消費電力量は50Wh(1,000W×0.05h)です。
消費電力量が240Whと50Whとなり、電子レンジであたためた方が省エネと言えます。

 野菜をゆでる場合も電子レンジを使えば使用時間が短いことに加え、水もほとんど必要ないので省エネになります。

 ご飯を炊く時は、「炊飯ジャー」より「ガスコンロ」の方が省エネです。

 ほかにも、以下のような工夫でキッチンは省エネになり、光熱水料を下げることにつながります。

・食器洗いでお湯を流しっぱなしにしない
・水が冷たくない時期は食器を水で洗う
・ガスコンロを使う時は鍋から炎がはみ出さないようにする
・電気ポットで保温をしない(必要に応じて沸かすか魔法瓶の活用もおすすめです)
・食器を洗う時は水で手洗いする(お湯で手洗いする場合には、お湯をためて洗浄する食器洗い乾燥機の方が省エネになります)

 電化製品の省エネは、買い換える方法と使い方の工夫の2つの方法があります。

 買い換えの検討をはじめたら、自治体等の補助金情報をチェックするとともに、製品の入れ替えタイミングを確認することで、よりお得に省エネな電化製品を購入することができます。また、初期投資分を省エネになることで何年くらいで回収できるのかを算出することで、検討材料となるでしょう。 電化製品の省エネな使い方においては、消費電力量を比べることで判断材料となります。消費電力量(Wh)=消費電力(W)×使用時間(h)を意識することで、無理せず、無駄なく、ゲームを攻略するような感覚で楽しみながら取り組めるのではないでしょうか。


記事協力:(公財)みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)

MELONは、宮城県に拠点をおく設立30周年の環境団体です。

⇒MELON公式ホームページ