(公財)みやぎ・環境とくらし・ネットワーク、通称:MELONさんとのコラボレーション記事の第2回です。MELONは宮城県に拠点を置く環境団体で、省エネルギーな暮らしのアドバイスを行う『うちエコ診断』も実施しています。この記事は、うちエコ診断士のノウハウをもとに、無理のない省エネな暮らし方をご紹介いただく企画です。ぜひ最後までご覧ください!
住まい方を工夫することで、おさいふにも地球にもやさしい省エネになります。
省エネは二酸化炭素(CO2)排出量の削減につながります。
ですが、省エネといっても何をすればいいかピンとこない方も多いかもしれません。
そこで、(公財)みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)のうちエコ診断士※と一緒にできることからはじめてみませんか?
※うちエコ診断士:環境省の「うちエコ診断ソフト」を活用し、各家庭の光熱費やCO2排出量を「見える化」し、各家庭の住まい方やライフスタイルに合わせた適切なアドバイスや提案を行うことができる、環境省認定の公的資格です。
無理しない夏の節電対策
今年の夏はとにかく暑い!と感じた方も多いのではないでしょうか。環境省のLINE公式アカウントから発信される暑さ指数・WBGT(※1)は「危険」以上の日が連日続いており、熱中症警戒アラートが発表される日もしばしばです。
そこで、今回は、夏~残暑が続く秋にかけての「冷」の確保について、まずは、エアコンの使い方の工夫からみてみましょう。
※1 暑さ指数(WBGT)・・・Wet Bulb Globe Temperatureは、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標。①湿度、②日射・輻射などの周辺の熱環境、③気温の3つを取り入れられている。(環境省 熱中症予防情報サイトより)
エアコンの上手な使い方
1.エアコンの設定温度に注目!
冷房時の設定温度を1℃上げた場合の消費電力量は、約13%(※2)削減されると見込まれています。
では、電気代に換算するといくらになるのでしょうか?
東北電力の電気料金をもとに、1kWhあたり30円(※3)とします。
仮に1日の消費電力量が5kWhのエアコンの場合、5kWh×30円=150円、150円×30日=4,500円となり、1ヶ月あたり585円(4,500円×0.13=585円)の削減効果が期待できます。さらに、二酸化炭素排出量の削減にもつながります。
環境省が推奨する冷房時の室温の設定温度は「28℃」という目安があります。
これは、財団法人省エネルギーセンターの実験結果(軽装での28℃とスーツでの26℃の体感が同じ)が根拠となっていますので、軽装と組み合わせて無理のないようエアコンを使いましょう。
なお、温度は、リモコンの設定温度ではなく、部屋に置いた温度計の温度を確認しましょう。
温湿度計があると、快適な温度と湿度を確認することができます。
※2 出典:財団法人省エネルギーセンター「「省エネライフスタイルチェック25」の各種行動と省エネ効果に関する調査報告書」(平成17年3月)
※3 1kWhあたりの単価は、契約容量のアンペア数と月の電気使用量(kWh)により異なります。例えば、従量電灯B、契約容量50アンペア、月の電気使用量300kWhの家庭の場合、基本料金と電力量料金を足すと、12067円40銭(1848円40銭+3565円20銭+6662円80銭)、300kWhで割ると40円22銭となります。これに燃料調整費(-11円32銭)と再エネ発電推進賦課金(1円40銭)を足して1kWhあたりを算出。
基本料金 | 電力量料金 | |
120kWh以下 | 120kWh超過分 | |
1848円40銭 | 3565円20銭 (29円71銭×120kWh) | 6662円80銭 (36円46銭×180kWh) |
2.扇風機と併用して冷房効率を上げる!
扇風機やサーキュレーターを併用すれば、夏は風が体にあたると涼しく感じますし、空気を循環させることで冷房効率が上がります。
なお、冬は暖まった空気を循環させることができます。
3.室外機の近くに物を置かない!
エアコン全体の消費電力の8割が室外機によるものです。よって、自転車や植木鉢などの物を置かないようにして、枯葉などもこまめに取り除きましょう。
4.フィルターを月に1~2回掃除する!
2週間に一度は、フィルターの掃除をしましょう。
フィルターが目詰まりしているエアコンでは冷暖房の効果が下がり、無駄な電気を使います。
冷房時で約4%、暖房時で約6%の消費電力の削減になります。
ここでも電気代に換算してみます。1日の消費電力量5kWhのエアコンの場合、冷房時の1ヶ月の電気代の削減効果は、180円(4,500円×0.04)となります。
グリーンカーテンが省エネに?!
部屋に直射日光が当たらないような工夫も有効です。
「グリーンカーテン」は、遮光効果や冷却効果でエアコンの使用を抑えることができるため、節電・省エネ効果があります。花が咲く楽しみや収穫する喜びもあります。 ヘチマ、ゴーヤ、アサガオなどはプランターでも育てられます。挑戦してみませんか。
夏の冷蔵庫の上手な使い方
開いている時間を短く、余分な開閉はしないことを意識しましょう。 冷蔵庫と冷凍室のドアの開閉回数がそれぞれ50回・16回の場合は、25回・8回の場合にくらべて消費電力量が約6%(※4)増加してしまうこともあります。
※4 環境省「家庭でできる節電アクション」より
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/setsuden/home/
また、冷蔵庫の中にものを詰め込みすぎると、冷気の流れが悪くなり、冷蔵庫内が均一に冷えなくなります。庫内の見渡しが悪くなるため、ドアの開閉時間が長くなる原因にもなります。冷蔵庫の中は整理することを意識したいところです。 缶詰、瓶詰や調味料は未開封なら冷蔵庫に入れないなど、冷蔵庫に入れる必要があるのかどうかも判断した方がいいでしょう。
24時間365日使う冷蔵庫は、毎日の使い方が変わると節電にもつながります。
買い替え時には補助金やキャンペーンの活用も!
エアコンも冷蔵庫も買い換えの際には、省エネ性能を確認することで、自治体等の補助対象となる場合もありますので、自治体のウェブサイトにてチェックするのがおすすめです。
■宮城県:みやぎ省エネ家電に買い換えキャンペーン(2023年9月1日~11月30日)
■仙台市:省エネ家電買い替えキャンペーン(2023年6月1日~10月31日)
https://www.city.sendai.jp/ondanka/kurashi/machi/kankyohozen/kurashi/taisaku/kaden.html
記事協力:(公財)みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)
MELONは、宮城県に拠点をおく設立30周年の環境団体です。