今、日本では「2050年のカーボンニュートラル実現」に向けて大きく動き始めています。
住宅についても2022年6月、「建築物省エネ法」が改正され、2025年以降に新築したり増改築したりするときは定められた省エネ基準への適合が義務付けられるなど、省エネ対策が加速しています。
これから家を建てる人は、どのようなポイントを意識すれば良いのでしょうか。
押さえておくべきポイントは2つあります!
①2025年に新築住宅・非住宅の省エネ基準適合が義務化される
②2030年にはZEH水準の省エネ性能が新築住宅の標準になる
具体的にはどういうことなのでしょうか。
ひとつずつ見ていきましょう。
① 2025年に新築住宅・非住宅の省エネ基準適合が義務化される
建築物の省エネについての義務付けが図のように変わります。
これまでは、300㎡以上の住宅の場合に「届出義務」(所管する行政庁への省エネ計画の届け出を義務付け)が、300㎡未満の場合に「説明義務」(住宅の省エネ性能について建築士から建築主への説明が義務付け)が課されていました。
建物の規模によって義務付けられている内容が異なっていたわけです。
建築物省エネ法の改正により、原則として全ての新築住宅・非住宅に省エネ基準への適合が義務付けられ、2025年4月から施行される予定です。
住宅の省エネは断熱性能によって大きく左右されます。
省エネ基準適合義務化とは、住宅を新築や増改築する際、2022年3月まで日本における断熱等級で最上位とされていた断熱等級4(※1)以上が求められることを意味します。
※1 2022年4月には断熱等級5が新設され、同年10月には断熱等級6及び7が設けられました。断熱等級は、数字が大きいほどレベルが高いということです。詳しくは次の②で見ていきましょう。
② 2030年にはZEH水準の省エネ性能が新築住宅の標準になる
さらに!
2030年にはZEH(※2)水準の省エネ性能を満たしていることが新築住宅の省エネの標準として求められることになります。
ZEH水準とは、断熱性能で言うと断熱等級5に相当します。
※2 ZEHとは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略。高い断熱性能や省エネなどにより、一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指した住宅のことです。
つまり、これから家を建てる場合は、ZEH水準以上(断熱等級5以上)の断熱性能を持つ住宅にしないと、省エネが求められる時代にそぐわないことはもちろん、資産価値などさまざまな面でマイナスの影響が出てしまう可能性があります。
それぞれの家庭が住まいの面から省エネに取り組めるだけでなく、資産価値を高く保つためにも、断熱性能が高い住宅を建てるのが望ましいと言えます。
冬の寒さが厳しい東北地方を拠点とする北洲は、健康で快適に過ごせる高断熱住宅を長年にわたり追求してきました。
当社は培ってきた技術とノウハウを存分に活かして、断熱等級6(HEAT20 G2 グレード相当)の新築注文住宅と、断熱等級5(ZEH水準)相当の性能向上リノベーションを推進し、国が目指す2050年のカーボンニュートラル実現に資する家づくりに取り組んでいます。
住宅の省エネ基準適合が義務化される2025年まであと2年。
いわば、今はその端境期と言えます。
そんなタイミングだからこそ、近い将来を見越した家づくりが肝心です。
住宅をめぐる制度のポイントをきちんと押さえ、基準を満たす省エネ性能、断熱性能をしっかりと確保することで、家族が心地よく、快適で健康的に過ごせる住まいを実現したいですね。